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2023年

ゴジラ-1.0

ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
神木隆之介 浜辺美波

 

山崎貴監督2023年製作「ゴジラ-1.0」を紹介する。第1作「ゴジラ」は、冷戦下の1954年3月1日にビキニ諸島でテラー・ウラム型水素爆弾実験行なわれ、死の灰を降らせて乗務員を死に至らしめた第五福竜丸事件が、映画製作のきっかけになった為、 本作はそれ以前の冷戦と核の時代のは始まりをモチーフにしている。ゴジラ70周年記念、実写版30作目で、第1作「ゴジラ」の意思を受け継いだ優れた作品である。戦争で荒廃した東京の街は、CGを中心に克明に再現され、ゴジラから逃げ惑う人々を捉えた移動撮影の合成は、特に作業が困難になる。揺れるキャメラと背景の位置合わせは、合成ソフトウェアのスタビライザー機能で1コマづつトラッキングポイントを作る難易な作業だが、完成度は高く、しかもCGが表に出ず芝居と融和し、過度に巨大怪獣ゴジラを露出させる事なくドラマ主体に成立しているのが素晴らしい。2023年11月3日に全国で劇場公開(378館)され、6日までに観客動員64万8,600人、興行収入10億4,100万円を記録したそうだ。12月1日からアメリカで劇場公開されるそうだが、"海外に出しても恥ずかしくない優れた作品" であるので結果が楽しみだ。

 

ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
ゴジラ-1.0 佐々木蔵之介
ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
安藤サクラ 吉岡秀隆
ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
青木崇高 ゴジラ-1.0

 

【ストリー】
第二次世界大戦末期の1945年。敷島浩一(神木隆之介)は特攻へ向かう途中で零戦が故障したと偽り、大戸島の守備隊基地に着陸する。その日の夜、基地を島の伝説で語り継がれる生物「呉爾羅(ゴジラ)」が襲撃する。敷島は整備兵の橘宗作(青木崇高)から、ゴジラを零戦に装着されている20ミリ砲で撃つように懇願されるが、恐怖で撃つことができず、敷島と橘以外の整備兵たちは全員ゴジラに襲われて死亡する。橘は仲間たちの遺体を前にして敷島を罵倒する。同年冬、東京へと帰ってきた敷島は、隣家の太田澄子(安藤サクラ)から空襲によって両親が亡くなったことを伝えられる。敷島は闇市で、彼同様に空襲で親を失った女性・大石典子(浜辺美波)と、彼女が空襲の最中他人に託されたという赤ん坊の明子に出会い、成り行きで共同生活を始める。敷島は米軍が戦争中に残した機雷の撤去作業の仕事に就き、作業船・新生丸艇長の秋津淸治(佐々木蔵之介)、元技術士官の野田健治(吉岡秀隆)、乗組員の水島四郎(山田裕貴)と出会う。敷島は彼らに典子との正式な結婚を勧められるが、戦争とゴジラによる被害で心の傷を抱える彼は関係の進展に踏み出せず、典子もそれを察して自立するために銀座で働きだす。ある日、敷島たちは作業中の日本近海にゴジラが現れていることを知り、これを新生丸で足止めしろという命令を受ける。体高50メートルへと変貌したゴジラに機銃や機雷で応戦するが効果はなかった。そして、シンガポールから帰ってきた接収艦の重巡洋艦「高雄」も砲弾で応戦するが、ゴジラの吐いた熱線によって高雄は海の藻屑となる。翌朝、東京へと襲撃してきたゴジラは東京湾から品川を経由し、典子が働いている銀座へと向かう。敷島は典子の救出へと向かい、ともに逃げるが、典子はゴジラの放出した熱線のエネルギーによる爆風から敷島を庇って吹き飛ばされ、行方不明となる。彼女の死を嘆き苦しむ敷島を、野田はゴジラ打倒の計画に誘う。壊滅的な被害を受けた日本であったが、駐留連合国軍はソ連軍を刺激する恐れがあるとして軍事行動を避けていたため、占領下で独自の軍隊を持たない日本は民間人のみでゴジラに立ち向かう事となっていた。駆逐艦・雪風の元艦長である堀田辰雄(田中美央)がリーダーとなって開かれた「巨大生物對策説明会」では、野田が、ゴジラをフロンガスの泡で包み込み、深海まで一気に沈めて急激な水圧の変化を与える第一次攻撃に続き、第二次攻撃として深海で大きな浮袋を膨らませて海底から海上まで一気に引き揚げ、凄まじい減圧を与えてゴジラの息の根を止めるという「海神作戦」(わだつみさくせん)を立案する。一方で、敷島は野田たちとは別に、独自のやり方でゴジラに立ち向かおうとして橘を探し始める.......。

 

ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
吉岡秀隆、山田裕貴 神木隆之介、浜辺美波
ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
ゴジラ-1.0 佐々木蔵之介、吉岡秀隆
ゴジラ-1.0 ゴジラ-1.0
ゴジラ-1.0

 

題名: ゴジラ-1.0
監督: 山崎貴
製作: 市川南
脚本: 山崎貴
撮影: 柴崎幸三
照明: 上田なりゆき
特機: 奥田悟
録音: 竹内久史
音効: 井上奈津子
美術: 上條安里
美粧: 宮内三千代
衣装: 水島愛子
配役: 杉野剛
音楽: 佐藤直紀、伊福部昭
選曲: 藤村義孝
記録: 阿保知香子
編集: 宮島竜治
  製作担当:横井義人
  監督助手:安達耕平
  エグゼクティブ・プロデューサー:臼井央、阿部秀司
  企画プロデューサー:山田兼司、岸田一晃
  制作プロデューサー:阿部豪、守屋圭一郎
  ラインプロデューサー:櫻井紘史
  プロダクション統括:會田望
  チーフゴジラオフィサー:大田圭二
  VFX:山崎貴
  VFXディレクター:渋谷紀世子
  VFXプロダクション:白組
  カラリスト:石山将弘
  制作協力:阿部秀司事務所
出演: 神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介、田中美央、遠藤雄弥、飯田基祐、永谷咲笑、阿南健治、水橋研二、須田邦裕、 谷口翔太、中村織央、鰐渕将市、西垣匠、長部努、佐々木風磨、中台あきお、佐々木一平、小松勇司、三濃川陽介、日下部千太郎、川端康太、古堅元貴、吉川裕斗、大島祐也、赤妻洋貴、濱中遼、荒谷清水、塚本幸男、大宮将司、マイケル・アリアス、松原正隆、古山憲太郎、松井工、平原テツ、鳥谷宏之、千葉誠太郎、持永雄恵、市川大貴、斉藤淳、山田将之、佐藤五郎、苅田裕介、長島慎治、山本晃大、伊藤亜斗武、阿部翔平
2024年第96回米国アカデミー賞視覚効果賞受賞
2023年日本・TOHOスタジオ+ROBOT/シネスコサイズ・デジタルシネマカラー125分
公式サイト

 

 

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