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江角マキコ |
浅野忠信 |
是枝裕和監督1995年製作「幻の光」を紹介する。本作は、“生と死”“喪失と再生”をテーマに、宮本輝氏の同名小説を、心象風景的に映画化したもので、是枝裕和監督の劇場映画デビュー作になる。1995年12月9日にシネカノン系劇場で公開された。余談になるが、撮影の中堀正夫氏は、コダイグループを主宰されており、私も在籍していた事から、技術スタッフは旧知の方々ばかりである。
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幻の光 |
市田ひろみ |
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江角マキコ |
幻の光 |
【ストリー】
ゆみ子(江角マキコ)が12歳の時、ゆみ子の祖母が失踪した。以来、ゆみ子は自分が祖母を引き止められなかったことを深く悔やんでいた。ゆみ子は25歳になって間もなく、祖母の生まれ変わりのように目の前に現れた郁夫(浅野忠信)と結婚するが、祖母の失踪はトラウマとなって今もゆみ子を苦しめている。しかし、郁夫との間に息子の勇一(柏山剛毅)も生まれ、ゆみ子は幸せな日々を送っていたが、ある日、郁夫は自転車の鍵だけを残して列車に飛び込み、命を絶った。ゆみ子は祖母に続いて郁夫と、大事な人を次々と見送ってしまったと途方に暮れる。5年後、ゆみ子は日本海に面した奥能登の小さな村に住む民雄(内藤剛志)と再婚した。先妻に先立たれた民雄には娘・友子(渡辺奈臣)がおり、春が来て夏が過ぎ、次第に勇一と友子も仲良くなじむようになって、ゆみ子にも平穏な日々が戻ってきていた。半年後、弟の結婚式のために里帰りしたゆみ子は、否応無く再び郁夫への想いに取りつかれる。冬のある日、漁師のとめの(桜むつ子)がゆみ子に蟹を取ってくると約束して舟を出した。しかし、静かだった海は次第に荒れ始め、夜になってもとめのは帰って来なかった。ゆみ子は、またしても自分が人を死に追いやったと絶望にとらわれる。やかて、とめのは無事に帰ってきたのだが、ゆみ子の心は晴れなかった。郁夫の想い出の品である自転車の鍵を民雄に見咎められたのをきっかけに、ついにゆみ子は家を出てしまう。おりからの葬列の鈴がゆみ子を死へと誘った。ゆみ子は海辺の岩場で燃える柩を見つめて、ただ佇んでいた。追って来た民雄も静かにゆみ子の後ろ姿を眺める。ゆみ子は民雄に「なぜ郁夫が自殺してしまったのか、いまだに解らない」と初めて打ち明けた。民雄は漁師だった父の「海に誘われるんだ。沖の方に綺麗な光が見えて自分を誘うんだ」という言葉を思い出し、「誰にもそんな瞬間がある」とゆみ子の言葉に応えるのだった。再び春が来て、穏やかな光の中にゆみ子たち家族四人の笑い声が響き渡っていた。
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江角マキコ、柏山剛毅 |
江角マキコ |
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内藤剛志、江角マキコ |
幻の光 |
題名: |
幻の光 |
監督: |
是枝裕和 |
製作: |
重延浩 |
企画: |
合津直枝 |
原作: |
宮本輝 |
脚本: |
荻田芳久 |
撮影: |
中堀正夫 |
照明: |
丸山文雄 |
録音: |
横溝正俊 |
音効: |
佐々木英世 |
美術: |
部谷京子 |
装飾: |
赤塚佳仁 |
美粧: |
西尾由貴子 |
衣装: |
北村道子 |
音楽: |
陳明章 |
通訳: |
小坂史子、相知美和子 |
記録: |
佐々木英世 |
編集: |
大島ともよ ネガ編集:大坪隆介 |
効果: |
中野稔 |
現像: |
東京現像所 タイミング:森吉隆 |
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撮影機材:シネオカメラ(CINEO VISION) |
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照明機材:三和映材社(照明部) |
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フィルム:富士フィルム |
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監督助手:高橋巖、日比野朗、森井輝 |
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別班撮影:八巻恒存、鈴木一郎 |
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応援撮影:石井勲、芦澤明子 |
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撮影助手:河部敦、山本透、早川具孝 |
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照明助手:河崎康、大塩邦夫、小島光夫、祷宮信 |
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録音助手:鶴巻仁、藤本賢一、渡辺真司 |
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音効助手:岡瀬昌彦 |
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美術助手:稲村正人 |
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装飾助手:中島順子、佐藤孝之 |
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応援衣装:福田義昭 |
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衣装助手:小林純子、飯塚小百合 |
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編集助手:宮島竜治 |
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プロデューサー:合津直枝 |
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製作助手:桜井崇、中村千賀子、石井基紀 |
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製作協力:コダイグループ、テル・プランニング |
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スチール:岡村征夫、坂健生 |
出演: |
江角マキコ、浅野忠信、柏山剛毅、渡辺奈臣、桜むつ子、大杉漣、内藤剛志、柄本明、木内みどり、橋本菊子、原田修一、井之上隆志、赤井英和、市田ひろみ、寺田農、吉野紗香、市原紳悟、高村忠紳、横田智美 |
1995年日本・テレビマンユニオン/ビスタサイズ・35mmフィルムカラー110分 |
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